「良識の府」と呼ばれる参院が、2つのミニ政党による言動で揺れている。
1つは、昨年の参院選(比例区)で当選したNHK党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員が、いまだに登院していないことである。ガーシー氏本人の責任が重いのは当然としても、ガーシー氏を公認し、その対応を容認しているNHK党(立花孝志党首)の責任はもっと重い。
2つ目は、れいわ新選組が体調不良を理由に辞職した参院議員の残り任期について、昨年の参院選比例代表の得票数順に、5人が1年ごとに交代する「れいわローテーション」を導入すると発表したことである。
共通しているのは、国会議員という立場に対する認識の低さである。
れいわ新選組がはき違えているのは、選挙で選ばれるのは国会議員だということだ。それは比例代表も同様で、有権者は政党名で投票する(参院選は政党名でも個人名でも投票できる)が、そこで当選した者は「全国民を代表する」議員となるのである。要するに、選ばれているのは議員「個人」であって、政党ではないということだ。
同党の山本太郎代表は「多様で多彩なメンバーで、国民の負託に応えていくことを目指す」と述べているが、国民が選んだ国会議員という属人的な立場を党首が私物化してよいものか。