女優、福原遥が主演を務めるNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」(総合など)の第17週「大きな夢に向かって」の第81話が27日、放送される。
「舞いあがれ!」これまでの流れ
大阪府東大阪市と長崎県の五島列島などを舞台に、主人公の岩倉舞(福原)がさまざまな人たちと交流を重ねながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生の物語。
東大阪でネジ工場、IWAKURAを経営していた父、浩太(高橋克典)の急死により、実家が存亡の機に直面するなか、舞は、パイロットになる夢を諦め、社長に就いた母、めぐみ(永作博美)を支える覚悟を固めた。舞はめぐみから営業を任され、最初はまったく成果が上がらなかったが、持ち前の粘り強さで自社製品やネジについて学びながら営業スキルを高め、薄型テレビに使うネジという大口受注を獲得した。会社が少しずつ回復するなか、めぐみは資金調達のため、舞の兄で投資家の悠人(横山裕)にIWAKURAの買収を提案。悠人は、工場の将来性と高い技術を見込んでこの話に乗り、会社の借金は完済した。
その4年後となる2013年の夏、会社で営業のエースに成長した舞は、「今こそ飛行機にIWAKURAのネジを載せるという浩太の夢に挑戦する時」と訴え、めぐみを誘って航空機産業参入支援セミナーに参加した。中小企業の担当者が高い参入障壁を訴えるなか、舞は、体力のない企業同士が得意な技術を持ち寄れば高度な製品を生み出せると発言。セミナーに参加していた国内大手メーカー、菱崎重工の重役、荒金正人(鶴見辰吾)は舞の考えに興味を持ち、講演後、2人に声をかけてきた。菱崎重工は浩太が工場を継ぐ前に働いていた会社だった。
その荒金が後日、IWAKURAを訪れ、舞とめぐみに、航空機の新型エンジン用のボルトを試作してみないかと提案した。めぐみは現状のIWAKURAでは厳しいと難色を示したが、舞は図面を見せてほしいと乗り気。図面は部外秘ですでに他社が手掛けていたが、試作が遅れており、荒金は、ほかにできるところがないかを探していたと話した。めぐみはなぜこの話をIWAKURAに持ち込んだのかと質問。荒金は、航空機産業は新たな力を必要としていると切り出し、舞がセミナーで言った通り、中小企業がその力となりうるのかに興味があると答えた。そして「IWAKURAには優れた技術がある」という舞の言葉を振り返り、「それを証明していただきたいのです」と力を込めた。
舞は、すぐに図面を工員たちに見せ、試作が可能かを相談。IWAKURAでは例のないニッケル基合金を使ったボルトで、最古参の工員、笠巻久之(古舘寛治)も難しいと渋い顔だった。しかし、「挑戦なくしてIWAKURAの成長はない」と力説する舞に根負けし、試作に挑戦。その壁は想像以上に高く、舞たちは硬い素材の加工に苦戦した。