3月に五代目江戸家猫八を襲名する動物の鳴きまね演芸家、江戸家小猫(45)が25日、東京・浅草ビューホテルで襲名に向けた記者会見を開いた。「自分の色を出して、芸に精進したい」と決意表明。襲名披露興行は3月21日の鈴本演芸場(東京・台東区)を皮きりに、東京都内5つの寄席で5月下旬まで約50日間にわたり行い、トリとして出演する。
春分の日にあたる初日の3月21日はくしくも、テレビ司会も務めた四代目の父が、進行胃がんのため2016年に66歳で死去した命日にあたる。「不思議な縁。父からも『襲名はお前が今だと思ったときで』と言われていたので、うれしい」と目を潤ませた。
09年に四代目に入門。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科を修了後の11年に小猫を襲名した。猫八家は代々、早春から鳴くウグイスの鳴きまねがお家芸。ドラマ「鬼平犯科帳」の密偵役など俳優としても活躍し01年に死去した三代目(享年80)は祖父にあたる。
伝統芸に加え、動物園巡りの趣味を生かしてアルパカやヌーなど、あまり鳴き声が知られていない動物を含めると100種類近くの声を物まねできる。「全国各地の動物園から『子供たちやファミリー向けに何かイベントを』と言われているので、やってみたい」と興行後に描く企画の一端も明かした。