台湾有事の米兵器備蓄「不十分」 米シンクタンク警告、ウクライナ支援の影響

産経ニュース
ウクライナ東部ドネツク州で行われた軍事演習で、米国製の携行式対戦車ミサイル「ジャベリン」を発射するウクライナ軍兵士(同国国防省提供=AP)
ウクライナ東部ドネツク州で行われた軍事演習で、米国製の携行式対戦車ミサイル「ジャベリン」を発射するウクライナ軍兵士(同国国防省提供=AP)

【ワシントン=渡辺浩生】ロシアが侵略を続けるウクライナへの軍事支援で米国の兵器備蓄が低下し、中国による台湾侵攻と米国の軍事介入の可能性も高まる中、米防衛産業基盤は「現存する安全保障環境に十分備えていない」とする報告書を米シンクタンクがまとめた。大規模紛争に対処する増産能力に欠き、抑止力低下に直結するとし、「米国はもはや平時の環境にはない」と有事に向けた生産体制構築を提言した。

戦略国際問題研究所(CSIS)のセス・ジョーンズ上級副所長が執筆した。

露軍侵攻以降の米国の軍事支援は約270億ドル。携帯型対戦車ミサイル「ジャベリン」、155ミリ榴弾砲、高機動ロケット砲システム「ハイマース」などと高性能化し、主力戦車エイブラムス供与検討も報じられ、ウクライナの領土奪還に不可欠な能力を支える。

報告書はしかし、戦場の弾薬・兵器の消費で防衛産業基盤の生産が逼迫(ひっぱく)していると指摘。米軍の在庫からの供給も多く、訓練や有事に不可欠な備蓄を枯渇させていると分析した。ジャベリンの供給は7年分の生産に相当、155ミリ榴弾砲の砲弾は107万4000発に達し「供給可能な在庫の重大な縮小」を招いたという。

ウクライナは「大国間の紛争に備え、米国と主要同盟国の強力な産業基盤が不可欠なことを明示した」とする一方、インド太平洋における中国の抑止に「十分な弾薬在庫や兵器システムは極めて重要」と指摘。侵略の時期予測は困難で「始まってから増産するのでは遅すぎる」と警告した。

CSISが行った台湾侵攻シミュレーションで、米軍は5000発の長距離ミサイルを3週間で使用し、長距離対艦ミサイル(LRASM)の在庫は開始から1週間で枯渇すると予測した。

米同盟国の抑止・戦闘能力を支える対外武器輸出にも言及。現行の対外有償軍事援助(FMS)は非効率で供与まで時間がかかるなど「今日の競争環境に最適ではない」とし、台湾向けのFMSでは4年もかかる兵器があると指摘した。

「米国は紛争開始前に準備を整え、抑止力を極大化する必要がある」とし、必要な弾薬量と備蓄の再評価、持続可能な調達計画の策定などを提言した。

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