令和4年の出版物(紙と電子の合計)の推定販売金額が前年比2・6%減の1兆6305億円となり、平成30年以来4年ぶりに前年割れしたことが25日、出版科学研究所(東京)の調査で分かった。電子の伸びが急速に鈍化し、紙の落ち込みを補えなくなった形。新型コロナウイルスに伴う「巣ごもり特需」も完全に収束したと分析している。
研究所によると、紙の出版物(書籍と雑誌)は6・5%減の1兆1292億円。令和3年に15年ぶりに増加に転じた書籍も、4年は反動で前年比4・5%減の6497億円となった。雑誌は9・1%減の4795億円。電子は前年比7・5%増の5013億円。市場全体に占める割合は初めて3割を超えたが、前年比20%前後の増加が続いた近年の成長は急減速した。