木下とのキャッチボールでは「左足の上げ方が昨日と全然、違う。忘れちゃったの?」と指摘。これを受けて修正した木下の球を受けると「今日の1番」を意味する「キョウ1!」と声をかけ、次の球に「キョウ2」、「キョウ2・5」と続け、4球目がやや抜けると「あぁ、続けないと」と苦笑した。
一方で自分はピタッと姿勢が決まるフォームで、伸びのある球を投げ続ける。長年活躍してきたすごさを、技術の正確さと練習量の多さで伝えているようだった。
自身4球団目にして、初めてセ・リーグでプレーする。横浜高の偉大な先輩で、尊敬する松坂大輔氏も日本でプレーした3球団のうち、唯一のセ・リーグ球団は中日だった。
「縁? それは特に感じないけど…周りからはそう言われるんじゃないかな」。史上初の4球団目での最多勝もかかる。使命を背負った涌井の挑戦が始まる。(湯浅大)