配偶者に子供を連れ去られたと主張する男女14人が、親権や監護権などは憲法で保障されており、国は連れ去りを防ぐための法整備を怠ったとして、1人当たり11万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、立法義務を認めず請求を棄却した。
野口宣大(のぶひろ)裁判長は親権などは「憲法上保障された基本的人権と解せない」とした上で、子の連れ去りを防ぐ法規制の必要性について「国民に共通認識が形成されているとは言い難い」と指摘。「立法不作為が憲法の規定に違反することが明白であるとはいえない」と結論付けた。
原告側は家庭裁判所が別居後の監護の継続性を重視し、連れ去った側を親権者とする「連れ去り得」が生じていると主張したが、野口裁判長は「親側や子側の事情を総合的に考慮している」と退けた。