国連薬物犯罪事務所(UNODC)は24日、人身売買に関する2022年版の報告書を発表し、ロシアが侵攻したウクライナの避難民が被害に遭う危険性が高まっていると訴えた。世界では、新型コロナウイルス感染が拡大した20年に確認された被害者が19年に比べ減少したものの、戦闘などによってリスクが増加することを懸念した。
報告書は、経済的な理由などから避難民は人身売買に巻き込まれやすくなると指摘。ロシアのウクライナ侵攻では、対策が取られなければ多数の被害者を生む危険性が残ると分析した。中東やアフリカのサハラ砂漠以南(サブサハラ)といった地域の戦闘でも住民が人身売買の高い危険にさらされていると強調した。
報告書は、140超の国の17~20年のデータなどを基に作成。一部からは21年のデータの提供もあった。(共同)