経団連は24日、経営側と労働組合側が令和5年春闘への考え方を示す「労使フォーラム」を東京都内で開いた。冒頭のあいさつで十倉雅和会長は「30年近くに及ぶデフレ経済の下、賃金交渉で物価動向への考慮がこれほど強く求められた記憶はほとんどない」と述べ、物価高騰を重視した賃金引き上げを呼び掛けた。
十倉氏は「真摯(しんし)で建設的な交渉を行い、賃上げという羽ばたきで明るい日本の未来を作るとの思いを共感してほしい」と訴えた。
5年春闘を巡り、岸田文雄首相は物価高を上回る賃上げを経済界に強く要請しており、経団連は基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)の検討を会員企業に呼び掛けている。
フォーラムでは、5%程度の賃上げ要求を掲げる連合の芳野友子会長も講演。5年春闘を「望ましい未来をつくるターニングポイントにしたい」と訴えた。