巨人・岡本和真内野手(26)が23日、川崎市のジャイアンツ球場で自主トレーニングを公開し、日本代表入りが内定している3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での一塁、外野守備に意欲を示した。巨人での本職は三塁ながら一塁や左翼での出場経験もある。3大会ぶりの世界一奪還を目指す侍ジャパンのピースになるべく、貪欲な姿勢で日の丸を背負う。
つばが360度に広がる個性的な帽子をかぶり、岡本和がいてつく寒さにも負けず練習に励んだ。人気映画「ハリー・ポッター」に夢中という巨人の主砲は、主人公の魔法使いよろしくユニークないで立ちで、初出場のWBCへ貪欲な姿勢を示した。
「三塁も、一塁も、外野もある程度守れる。どこでもできるのは強み」
本職の三塁で昨季、2年連続のゴールデン・グラブ賞に輝いた名手。日本代表では4番候補の村上(ヤクルト)とポジションが重なり、昨秋の強化試合では一塁も守った。巨人では左翼での出場経験があり、世界一に貢献するべく外野でのプレーも視野に入れる。
侍ジャパンの〝外野問題〟を解消する存在になるかもしれない。日本の外野陣は吉田(レッドソックス)、ヌートバー(カージナルス)、鈴木(カブス)、近藤(ソフトバンク)の4人が内定。他の候補も周東(ソフトバンク)くらいしかいない。岡本和は外野の練習について「内緒」とけむに巻いたが、「外野手は少ないし、何が起こるか分からない。準備している」とキッパリ。限られた選手層に厚みを加え、チームの選択肢を増やす。
2009年のWBCでダルビッシュ(現パドレス)が胴上げ投手となった場面を鮮明に脳裏に焼き付けている。前回17年大会で日の丸を背負ったチームメートの菅野からは「大きくなって帰ってきて、ジャイアンツに(経験を)還元してもらいたい」と背中を押された。
昨秋の強化試合では4戦で打率・545とアピール。オーストラリアとの2連戦では7打数5安打2打点と大暴れし、対戦経験のない投手を苦にしなかった。「WBCはずっと目標だった。全力でプレーしたい」。敵を驚かせる〝魔法〟は繰り出せなくても、貴重な万能性で貢献する。(鈴木智紘)