巨人・岡本和真内野手(26)が23日、川崎市のジャイアンツ球場で自主トレを公開。日本代表入りが内定している3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で出場機会をつかむため、複数ポジションを守れる強みをアピールした。初参戦のひのき舞台で胸に期すのは、ベネズエラ代表のレジェンドとの競演だ。
例年より調整が「自然と早くなっているのかな? 気持ち的に高ぶる所はある」という理由は、世界一を争う国際試合で日の丸を背負うのが初めてだから。岡本は「代表のユニホームを着てWBCでプレーするのが目標だった。今でこそ三塁しかやっていないが、一塁と外野も守れると思っている。どこでもいけるのが自分の強み」と売り込んだ。代表仕様の一塁ミットや外野用グラブも発注済みとみられる。
巨人入団4年目でレギュラーをつかんだ2018年には、「とにかく打ってくれればいい。守る所はこちらが考える」と首脳陣にハッパをかけられ、先発は一塁が126試合、左翼が23試合、三塁が19試合と3ポジションを兼任した。侍ジャパンでもスタメン奪取へ原点回帰だ。本職の三塁は昨季最年少三冠王に輝いた村上(ヤクルト)がおり分が悪い。一塁は昨季パ・リーグ本塁打王の山川(西武)との勝負となるが、本番前の腕試しで最も出番がもらえそうなのは外野だ。
外野のレギュラー候補は左翼が吉田(レッドソックス)、中堅がヌートバー(カージナルス)、右翼が鈴木(カブス)と豪華なメジャー3人衆だが、現時点では故障保険の問題で大会前の強化試合6試合のうち最初の4試合は出場未定。ここで岡本が結果を出せば、定位置争いに食い込める。
メジャーのスター選手がこぞって参戦する今回のWBC。岡本が心待ちにするのが、第1回大会からベネズエラ代表で皆勤中のミゲル・カブレラ内野手(39)=タイガース=との対戦だ。メジャー三冠王の打撃を少年時代に動画で見て衝撃を受けて以来、あこがれの存在。「足をポンと置いて、あれだけ力感なくバットを振っているのに、打球がスッと飛んでいく。ホンマにすごい」。今季限りでの引退を表明したカブレラとの直接対決は、今大会が最初で最後のチャンス。尊敬する強打者の目に、自らの打撃を焼き付けたい。 (笹森倫)