主張

国会と憲法改正 条文案の策定に着手せよ 「9条」でも合意形成を急げ

産経ニュース

通常国会の召集日を迎えた。与野党は今年こそ、憲法改正原案の策定に着手すべきである。

ロシアによるウクライナ侵略は越年し、今も続いている。中国は軍備の増強を進め、台湾併(へい)吞(どん)に向け、武力行使も辞さない構えを取り続けている。北朝鮮は弾道ミサイルの発射を繰り返し、7回目の核実験に踏み切る可能性が指摘されている。

日本は専制国家に囲まれているにもかかわらず、国の根幹をなす憲法は、安全保障上の危機を乗り越えるのに、十分とはいえない。早期の改正が必要なのは、論をまたない。

首相が先頭に立つ時だ

政府は昨年12月、抑止力と対処力の向上に向け、国家安全保障戦略など安保3文書を閣議決定した。国民を守るためには、憲法改正も必要だ。

岸田文雄首相(自民党総裁)は先の臨時国会で「(総裁任期中の憲法改正という)思いは全く変わらない」と語っておきながら、年頭の記者会見で具体的に触れることはなかった。改憲の必要性を繰り返し訴え、国会での議論をリードすべきである。

憲法改正の本丸は第9条である。改めて指摘しておきたいのは、これまで日本の平和を守ってきたのは9条ではなく、自衛隊の存在と日米安保条約に基づく抑止力である、という点だ。9条を唱えていれば平和が訪れると考える勢力の無理解により、抑止力の構築は妨げられてきた。

世界の民主主義国は軍隊をもち、抑止力にしている。自衛隊は日本の平和と独立を守る任務を担っており、国際法上は軍隊として位置付けられている。その自衛隊を、「憲法違反」とする解釈が出てくるような存在にさせてはならない。憲法に自衛隊を明記するのは当然である。

最終的には「戦力不保持」を定めた9条2項を削除し、軍の保持を認めるべきだ。

国の根幹に関する重要な課題は山積している。与野党は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題など足元の課題に忙殺され、安保政策では防衛費増額の財源確保策の議論に汲(きゅう)々(きゅう)としている。大局からの改憲論議はおざなりにされ、9条の議論は低調のままだ。先の臨時国会で、自衛隊明記は焦点にならなかった。

その一方で、緊急事態条項の新設を巡り、国会議員の任期延長について、各党別に論点が整理されるなど、議論が進んだのは望ましかった。

南海トラフの巨大地震や首都直下地震などの大災害やテロはいつ起きるか分からない。日本有事に直結する台湾有事は、現実味を帯びている。国政選挙が実施できず、国会が機能不全に陥るなどの事態は当然、想定しておかなければならない。

憲法は衆参両院議員の任期を規定している。緊急時に国会の機能を維持できるよう延長を可能にしておく必要がある。

意見開陳に終始するな

ただ、それだけでは不十分だ。外部からの武力攻撃や大規模テロなどが発生した際に首相が緊急事態を宣言し、一時的に内閣に権限を集め、法律に代わる緊急政令を出し、予算の変更などを認める緊急財政処分を行えるよう、憲法に定めておくことが欠かせない。

衆院憲法審査会で自民党は、議員任期延長の規定創設を主張し、併せて、緊急政令の制定や緊急財政処分についても規定が必要だと唱えた。

日本維新の会、国民民主党もほぼ同様の姿勢を取っており、前向きで評価できる。

これに対し、公明党は「白紙委任的な緊急政令制度を設けることには慎重であるべきだ」とするなど、与党内で考え方に温度差がある。公明の見解は、国民を守る責務を踏まえたものとは、とても思えない。

立憲民主党は、そもそも緊急事態条項の創設に動くことに後ろ向きだ。このため衆院憲法審で「緊急事態に特化した議論ではなく、国会の召集義務や解散権などを幅広く議論することが求められる」と主張していた。意見集約を警戒しているのか。立民も改憲の対案を条文の形で示すべきだ。

通常国会では、衆参の憲法審を積極的に開催し、合意形成を急いでもらいたい。いつまでもだらだらと意見を述べ合っている場合ではない。

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