関東地方で「闇バイト」の男らによる強盗事件が相次いでいるが、犯行グループの一部が昨年以来、山口県や広島県など西日本で発生した強盗事件にも関与している疑いがあることが分かった。警察当局は、広域強盗グループが実行役を入れ替えながら各地で事件を繰り返したとみて調べている。
昨年12月、東京都中野区の不動産業の男性(49)が自宅で現金約3000万円を奪われた事件で、警視庁は強盗傷害容疑で金沢市の永田陸人容疑者(21)を逮捕した。ほかに埼玉県草加市の無職、和野正弘被告(34)が起訴されている。警視庁は計7人が関わったとみて残り5人の行方を追っている。
捜査関係者によると、中野区の事件の一部メンバーの特徴や手口が、昨年10月に東京都稲城市で発生した強盗傷害事件や11月に山口県岩国市で起きた強盗事件、12月に広島市の店舗兼住宅で発生した強盗殺人未遂事件と類似しているという。
東京都狛江市の住宅で大塩衣与(きぬよ)さん(90)が殺害された強盗殺人事件の端緒は、千葉県大網白里市の強盗致傷事件で逮捕された陸上自衛官の20代男のスマートフォンに、通信アプリ「テレグラム」で大塩さん宅に強盗に入るという趣旨のメッセージが残っていたことだった。