東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、東京地検特捜部に贈賄罪で起訴された広告会社「ADKホールディングス」(旧アサツーディ・ケイ)の前社長、植野伸一被告(68)について、東京地裁は23日、保釈を認める決定をした。保釈保証金は3千万円で、即日納付された。逮捕された昨年10月から約3カ月間にわたって勾留が続いていた。
関係者によると、植野被告は特捜部の調べに対し、事実関係は認めた上で、大会組織委員会元理事の高橋治之(はるゆき)被告(78)=受託収賄罪で4回起訴=への資金提供は「正当な対価だった」と賄賂性を否定。だが今月になり、賄賂性も含めて認める方向へ転じたとみられる。
起訴状によると、植野被告は元部下2人と共謀し、高橋被告に大会スポンサー契約の「販売協力代理店」に選任してほしいなどと依頼。令和元年11月~4年1月、高橋被告が代表のコンサルティング会社に計約1400万円を入金したとされる。