台湾を武力で併吞しようとする中国が、台湾人にとって脅威であることは言わずもがなだ。ただ、昨年取材した台湾の李喜明・元参謀総長は「中国共産党と中国人民を同列に扱ってはいけない」と強調していた
▶台湾侵攻を企図しているのは共産党である。「台湾は(9千万人の共産党員を除く)13億1千万人の中国人民とは良好な関係を維持すべきだ。そうすれば彼らは武力侵攻を支持しない」と李氏はいう。その上で台湾自身が侵攻を阻止する防衛力を整えて戦争を抑止しなければならない、と訴えた
▶「人を射んとせばまず馬を射よ」とは杜甫の詩の一節。強権的な内外施策は中国への国際的な尊敬を損ねており、まして台湾侵攻は破滅の道だ。中国人は本当にそれでいいのか―。日本を含む民主世界は、彼らにそう問いかける〝認知戦〟を展開すべきだろう。おりしもゼロコロナ政策への抗議活動「白紙革命」は、政治的覚醒の予兆かもしれないのだから。