日銀は23日、銀行などの金融機関に市場で国債購入を促すことを目的とした5年間の低利融資を実施した。国債の金利上昇を抑える狙いがある。18日の金融政策決定会合で低利融資の拡充を決めてから初めての実施。23日の国債市場は低利融資が奏功して幅広い年限の国債利回りが低下したが、金融機関が日銀に渡す担保には限りがあるため、時間稼ぎで終わる可能性もある。
低利融資の仕組みは「共通担保資金供給オペ(公開市場操作)」と呼ばれる。23日は1兆円の貸出枠に対して、3兆1290億円の応札があり、1兆3億円を落札した。平均落札金利は0・145%で、同じ期間の5年物国債の利回りより低かった。金融機関は日銀から借りたお金で国債を買えば利ざやを稼ぐことができることになり、長期金利の指標となる10年物も含めて幅広い年限の国債を買う(利回りは下がる)動きが活発になった。