「魂のピアニスト」と称されるフジコ・ヘミングさんはまた、独特のぬくもりある絵でも多くのファンを魅了してきた。
本作は、詩人・絵本作家の石津ちひろさんが愛くるしい猫たちを表現した15編のことばに、ヘミングさんが絵で応えたもの。早口ことばあり、韻を踏む詩あり。リズミカルな文と、のびやかでいて、少し哀感のある絵との融合がすばらしい。
表題作「ねことワルツを」は、幼い女の子がお父さんとワルツを踊る喜びと、来るべき別れの悲しみを詠んだ詩。(福音館書店・2420円)