青森市の小野寺晃彦市長(47)は22日夜、市内で記者会見し、任期満了に伴う青森県知事選(5月18日告示、6月4日投開票)に立候補すると表明した。会見では、勇退を表明した三村申吾知事(66)の県政が正しく引き継がれる必要があるとし「私自身がその役を担いたい」と決意を語った。
小野寺氏は、県政運営の方向性として同市で取り組んできた施策を県内全域に拡大させる考えを示した。
具体的には小中学校の給食費の無償化や高校のICT(情報通信技術)教育の充実、6地域県民局を活用した産業の創生、県内全市町村の特性を地域活力につなげるタウンミーティングの実施などを打ち出した。また、三村県政が進める第1次産業の活性化を図る「攻めの農林水産業」施策や立体観光の推進、行財政改革は引き継ぐとした。
「津軽、南部の垣根を越えて40市町村と連携し、これまでの実績を着実に広げれるように身を粉にしたい」と小野寺氏。辞職時期については「市長として最後まで市政に責任を持つ」と述べ、定例市議会への対応や来年度予算案の編成を考慮し、4月末を念頭にしていることを明らかにした。この場合、知事選と同じ6月4日投開票となる可能性もある。また、自身の後継に関しては「市議や県議、衆院1区の国会議員と意見交換するが、現時点で後継指名は考えていない」とした。
小野寺氏は東大卒業後、旧自治省に入省。平成28年の同市長選で初当選し、現在2期目。
知事選をめぐっては、むつ市の宮下宗一郎市長(43)も出馬の意向を明らかにしており、26日にも会見を開く。
小野寺、宮下両氏とも自民党県連に推薦願を提出しており、県連は2月上旬までに結論を出す方針。