近ごろ都に流行るもの

老舗結婚式場が地方創生支援 常設店より手軽〝ポップアップ〟で東京発信

産経ニュース
八芳園プロデュースでポップアップストアを開いた徳島県松茂町。特産野菜のカレーも好評=東京都港区のMuSuBu(重松明子撮影)
八芳園プロデュースでポップアップストアを開いた徳島県松茂町。特産野菜のカレーも好評=東京都港区のMuSuBu(重松明子撮影)

東京・白金台の老舗結婚式場「八芳園」が、総合プロデュース企業へと転身を図っている。その柱が婚礼で培った料理、演出、コンサル(相談・助言)、発信力を生かした地方創生支援だ。水~日曜の5日単位で特産品や観光の販売・PRができるポップアップ店舗「MuSuBu(ムスブ)」を開設し、2年半で延べ90以上の自治体などが活用。短期で負担も軽いため小規模な市町村も出店している。県などのPR拠点といえばアンテナショップが定番だが昨年末、銀座の「ぐんまちゃん家(ち)」(群馬県)が年間約7千万円に上る家賃負担などを理由に閉店。地方の東京発信も新局面を迎えている。

意欲は首長や職員のイケイケ度に比例

白金台プラチナ通り沿いの店頭。見送るスタッフに、「また来週ね~」と手を振るグレイヘアのマダムがいた。「常連さんですか」。声をかけると、「そう、常連さんよ」と買い物袋の手を顔に引き寄せ、颯爽と歩道を去っていった。

ムスブは、週ごとに出店者が変わる目新しさがウケ、近隣主婦層を中心にリピーターが多い。特産品を素材に八芳園が手掛ける料理は、ランチから夕方まで50席が埋まる日も多く、週末は2回転する盛況だ。

取材日は徳島県松茂(まつしげ)町の初日だった(22日まで)。「徳島空港がある町ですが、東京で知っている人はまずいません」

取材時に提供されていた松茂町のカレープレート。毎週、各地の特産品や米を生かした多彩な料理が登場する=東京都港区のMuSuBu(重松明子撮影)

松茂町チャレンジ課の袴田智香課長が自虐気味に笑う。「特産品はサツマイモのなると金時とレンコン。まずは知っていただき、将来的には移住促進にもつなげたい」。松茂町には海上自衛隊の航空基地があり、基地内の調理競技大会で優勝した、なると金時入りの甘口カレーをもとにした町の新名物「金曜日の金時カレー」を商品化した。これら4種の食べ比べ「まつしげカレーフェスタ特別プレート」(1800円)を用意し、平日の初日、物販含め30万円を売り上げた。

地元とライブ通信できる大型ビジョンなどの環境が整った計450平方メートルで、「ご意向に沿った八芳園クオリティーのイベントが開けます」と、ムスブ総責任者の窪田理恵子エグゼクティブプロデューサー。札幌市が出店した際は、大御所地元アイドル「チームナックス」のリーダーが来場して盛り上げたこともある。

価格は要望により幅があるが、コンサル、メニュー開発、販売代行、販促パネル制作などを含めて基本220万円とリーズナブル。「ウィンウィンだからできる。次々と来る特産品の魅力をどう生かして調理するか。八芳園90人の料理人たちの引き出しが増え、仕入れ先の開拓にもなります」

地方支援のきっかけは、一昨年開催の東京五輪ホストタウンのサポートを手掛けたことだ。現在14カ所と連携協定を結んでいる。窪田さんによると「出店意欲は自治体の規模の大小ではなく、首長や担当職員のイケイケ度に比例。熱は部署名にも表れています」。

25日から出店する徳島県農林水産部もうかるブランド推進課の尺長(たけなが)賢課長補佐は「各種調査で徳島県の魅力度や知名度は下位だが、そのぶん伸びしろはある」。自慢の野菜に阿波尾鶏、鯛めし、肉厚ワカメと半田素麺など14の食材が一度に味わえる、徳島まるごとグルメセット(2千円)を提供。28~29日は地酒と山で獲れたジビエ料理の「角打ち」も登場する。

徳島県は都内に一般的なアンテナショップは持たず、「奥渋谷」と呼ばれる先鋭的な地区にドミトリー&レストランを平成30年にオープンさせた。「東京五輪を見据えたがコロナであてが外れ、今の所、もうかっていません。2年後の大阪万博に向け、徳島グルメの発信を仕掛けていく」

ぐんまちゃん家を閉店した群馬県の担当者にも話を聞いた。今後は東京に近い地の利を生かし、観光客の来県策を強化。県庁内のスタジオから各部署が動画で魅力を配信するとともに、都内の主要駅や百貨店での催事は継続意向という。

ネット通販の時代、常設店を持つ必然性は低下した。原資が税金だけに、高コスパなアイデアを期待!(重松明子)

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