名古屋市が大学などに進む生活保護受給世帯の子どもを経済的に支援するため、令和5年度から毎年10万円の応援金を給付する方針を固めたことが20日、分かった。市によると、自治体が生活保護世帯を対象に大学進学などを支援する制度は全国的に珍しく、政令市では初めてという。
対象は四年制大学や短大、専門学校などに通う学生で、在学中に毎年春と秋に5万円ずつ支給する。
現行制度では生活保護を受けながらの通学は認められず、学生本人を支給対象から外して世帯分離し、自分で生活費などを稼ぐ必要がある。名古屋市の制度も世帯分離を条件とする。
市は昨年8月以降、国の物価高緊急対策金を活用して生活保護世帯から分離した大学生らに10万円給付した。「新型コロナでアルバイトが減って大変だった」などの声があり、市は支援継続が必要だと判断した。
市保護課の担当者は「進学してもその後の生活が厳しく挫折してしまう学生もいる。この応援金で貧困の連鎖を断ち切れればいいと思う」と意義を説明した。