新潟県柏崎市沖で新潟海上保安部の巡視船「えちご」(3100トン、前田直喜船長)が座礁した事故で、第9管区海上保安本部(新潟市)は20日、現場から曳航(えいこう)されてきたえちごが同日午後1時ごろ、同市の新潟港中央埠頭(ふとう)に入港予定と発表した。また、同保安本部は、離礁と曳航にかかった費用は約6600万円になることを明らかにした。
同保安本部によると、サルベージ業者「日本サルヴェージ」(東京)の海難救助船「航洋丸」は同日午前1時45分ごろに離礁作業を終え、曳航を始めた。約7時間後の同9時ごろ、新潟港入り口の北約19キロに到着して停泊し、入港に向けた準備を進めている。入港は午後1時ごろ、着岸は3時ごろになる予定という。
着岸後は、修理業者による詳細な船体調査を実施。必要な応急処置をしたうえで、県外の造船所のドックに運び、本格的な修理に着手する。同保安本部の長谷川真琴総務部長は「1カ月以内には造船所と修理の契約を結べるのではないか」との見通しを示した。
また、着岸後の船内では乗員の聴取も行う。同保安本部は、今回の事故を業務上過失往来危険容疑で捜査している。
長谷川部長によると、前日の潜水調査で、船尾の推進用のプロペラと船底中央付近に損傷を確認。プロペラ損傷により、自力航行ができない状態という。
事故は、18日午前6時半ごろ発生。付近の海上をパトロール中、柏崎市の椎谷鼻灯台の光が消えているかどうかを確認するため岸に近づき、浅瀬に乗り上げたという。