日本が、ウクライナ侵略を続けるロシアや、軍事的覇権を目指す中国、核・ミサイル開発をやめない北朝鮮に囲まれるなか、国費で日本の防衛研究にブレーキをかけてきた組織は、獅子身中の虫である。
学術会議は法律で設置され、税金で運営されており、会員は特別職国家公務員だ。1950年と67年の声明で「軍事研究は行わない」とし、2017年にも、軍事転用が可能な基礎研究に助成する防衛省の公募制度に批判的な声明を出した。
自国の軍事研究は禁止する一方、中国とは15年、中国科学技術協会との協力促進を図る覚書を交わしている。あきれるではないか。防衛装備庁が安保技術研究推進制度という研究助成制度の公募をスタートさせたのと同時期だ。
ただ、そんな学術会議ではあるが、日本共産党などの政治勢力の影響を嫌い、改革を進めるため、軍民両用のデュアルユースに係わる研究を否定しないサイレント・マジョリティーの存在がある。
昨年4月26日の参院内閣委員会で、学術会議の事務方トップ、三上明輝事務局長は、自民党の有村治子参院議員から防衛研究や軍民両用技術への見解を聞かれ、次のように答えている。