東京都狛江市の住宅で住人の大塩衣与(きぬよ)さん(90)が遺体で見つかった強盗殺人事件で、大塩さんの左ひじが骨折し、頭部から出血していたことが20日、警視庁調布署捜査本部への取材で分かった。警察官による検視で、外傷を受けたことなどによる外因死の可能性があるとし、同日に司法解剖を行って詳しい死因を調べる。
捜査本部によると、現場の住宅は地上2階、地下1階建て。大塩さんは、両手首を結束バンドのようなもので縛られ、頭部から何らかの原因で出血した状態で地下1階の廊下に倒れていた。遺体には左ひじの骨折や皮膚がはがれる外傷もあった。また、複数の部屋で棚の引き出しが引き出された状態で、広範囲で物色された形跡があった。
大塩さんは息子夫婦と孫2人の計5人暮らしで、大塩さん以外の家族全員が事件当日の午前8時15分ごろまでに外出したが、その時点で地下1階に異常はなく、近隣住民の女性が午前10時半ごろに、自宅前を歩く大塩さんが1人で歩く姿を目撃していた。
現場は多摩川沿いの住宅街の一角。一夜が明けた20日も住宅近くは規制線で囲われ、複数の捜査員が慌ただしく行き来していた。