連合の芳野友子会長は19日の記者会見で、令和5年春闘をテーマに23日に開かれる経団連の十倉雅和会長との労使トップ会談について「賃金のしっかりとした継続的な引き上げと、中小企業の取引価格問題の取り組み強化を申し上げる」と述べ、春闘の事実上のスタートにあたり、中小企業の賃上げに向けた環境整備を急ぐよう経営側に改めて求める考えを示した。
5年春闘で連合は、定期昇給を含め5%程度の賃上げを要求し、このうち賃金水準を一律に引き上げるベースアップ(ベア)を3%程度と位置付けている。
芳野会長は、要求の実現には中小企業の賃上げ幅が鍵を握るとの認識を強調。発注企業との取引価格にコストを十分に転嫁できていない現状では、賃上げの原資の確保が難しいことから「経営サイドには適正な価格転嫁の取り組みを強化してほしい」とした。
また、立憲民主党と日本維新の会が23日召集の通常国会での協調継続に合意したことに関して「野党の連携は岸田文雄政権に対峙(たいじ)する基盤となり、国会に緊張感をもたらすことにつながる」と評価した。
その上で、連合が支援する立民と国民民主党に対して「少なくとも重要法案には足並みをそろえて臨み、とりわけ賃上げに向けた環境整備を政府に求めてほしい」と注文をつけた。