奈良県御所(ごせ)市の火葬場整備工事を巡る汚職事件で、同市議の小松久展(ひさのぶ)被告(70)=加重収賄罪で起訴=に計7500万円の賄賂を渡したとする贈賄罪に問われた同市の建設会社「ゴセケン」前会長の西本登美雄(73)と前社長の中本喜則(57)の両被告の初公判が19日、大阪地裁(坂口裕俊裁判長)で開かれ、いずれも起訴内容を認めた。
検察側の冒頭陳述によると、ゴセケンと市内大手の建設会社は以前から市発注工事などで受注を調整。平成26年以降は、「行政や市議会に多大な影響力を持つ」という小松被告に裁定を依頼することもあった。
火葬場整備工事については、ゴセケン側が小松被告に受注したい旨を伝え、代わりに市防災市民センター建設工事を譲ることを提案。小松被告はこの調整をまとめ、令和2年7月の市議会で、ゴセケンを代表企業とする共同企業体(JV)と工事契約を結ぶことに関する議案に賛成した。
受注額は24億円余りで、ゴセケン側はその3%程度の謝礼が必要と判断。小松被告側からも求められ、3年6月と12月に2回にわたり、会社の裏金を原資にした現金を紙袋に入れ、小松被告の事務所に持参した。小松被告側は1度目は借用のメモを書いたという。