大阪湾の淀川河口付近で確認され、交流サイト(SNS)上で「淀ちゃん」と名付けられたものの13日に死んでいることが確認されたマッコウクジラについて、大阪市は18日、川岸に漂着した死骸の処理作業を始めた。
同日中に同市此花区の川岸からボートで岸壁まで曳航(えいこう)。バージ船(はしけ船)に積み替えて体内にたまったガスを抜き、専門家による学術調査を実施する。胃の内容物や死因の特定などを進めた上で、翌19日には和歌山、徳島両県の間の紀伊水道沖まで再び船で運搬し、約30トンの重りをつけて海中に沈めるとしている。
18日午前8時ごろ、市の職員ら数人が乗り込んだ船が、クジラ(体長約15メートル)の死骸が漂着した川岸に接近。ダイバースーツを着た作業員が死骸の頭に網をかぶせてロープを結び、船で引っ張ると周囲に腐臭が漂った。一連の処理作業は、水産庁が公表しているマニュアルを参考に実施した。
この日は早朝から大勢の市民が「淀ちゃん」の様子を見守った。
大阪市此花区の会社員、川崎孝之さん(38)は「職場が近くで毎日見に来ていた。打ち上げられて放置されたままだとかわいそうだと思った。海に帰してあげてほしい」と話していた。