学芸万華鏡

ゾロリ、銭天堂、ヨシタケシンスケ…東アジア市場に深く刺さるワケ

産経ニュース
国内外で人気の「かいけつゾロリ」シリーズ。左は中国版
国内外で人気の「かいけつゾロリ」シリーズ。左は中国版

日本の児童書が中国・韓国・台湾に市場を拡大し、好調な売れ行きを示している。「銭天堂」「ゾロリ」など小学生に人気のシリーズのほか、新刊も相次いで翻訳刊行。版権輸出が活発化している。

「文化の壁」越える児童書

「作中のおにぎりが伝わるかが議論になり、世界的に認知されているから問題ないとか、サンドイッチに変えるかもとも言われたが、絵はそのまま」。キャラクターデザイナー、かなざわまことさんは台湾や中国でグッズを販売してきた犬のキャラ「おひげのポン」の絵本を昨年3月に国内で出版。すぐに台湾などから出版の申し出があった。今月から台湾、韓国、中国で順次翻訳刊行される。

アニメや漫画に続き、児童書が続々と海を渡る。習慣や表現の違いといった文化の壁を越え、愛される本が少なくない。国内累計400万部超とヒット中の「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリーズがその一つだ。

「ストーリー設定にたくさんの子供が興味を持ち、自分も銭天堂に行きたいと言っている」。中国版を手掛ける北京科学技術出版社の担当者は、中国で売れる理由として作品の面白さを強調し、子供が読書に熱中する様子をうかがわせた。

物語の舞台は、幸運な人だけがたどりつく駄菓子屋。客は自分の悩みに合った菓子を見つけるが、食べ方を間違えると思わぬ副作用が起きる。版元の偕成社によると、2019年から台湾などで順次出版。発行部数は台湾68万部、韓国210万部、中国126万部に上る。

韓国版の出版社でも「魅力的なキャラクター、不思議な店、願いがかなう菓子など物語の設定は読者を魅了するに十分。子供が自発的に読む」と評価される。

海外で人気の児童書は「100万回生きたねこ」などロングセラーが知られるが、近年は新刊も。例えば、今最も勢いのある絵本作家の一人、ヨシタケシンスケさんの作品がそうだ。

PHP研究所では、国内で21年に出版した「あきらがあけてあげるから」など6点が、中韓台の複数社から翻訳刊行。現地からは「繊細な観察力ときらめく想像力」(韓国・ウィズダムハウス)など作家の個性に加え「近年、親子共同読書が重視される」(台湾・親子天下)と親子で楽しめる点への評価も聞かれた。

出版社の工夫も奏功

児童書市場が活況を呈している要因には出版社の努力もある。ポプラ社は4年に中国法人を設立、多くのヒット作を手掛け、市場を開拓してきた。

国内累計3500万部超の「かいけつゾロリ」シリーズは特に中国と台湾で実績があり、それぞれ173万部と85万部を発行。同社は「作品自体の面白さ」を前提とした上で、中国の読者が読みやすいよう横書きにするなどローカライズに力を入れたことを挙げる。

『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』の台湾版

「出版指標年報」(出版科学研究所)によると、中国では児童書が書籍市場の約3割を占め、毎年成長している。

日本の出版社による海外展開の主流は翻訳権を販売する版権ビジネスで、同研究所が推計した出版ライツ収入(コミック・書籍・雑誌)は12年の110億円から21年の157億円に増加している。

このうち児童書を含む書籍については、ここ5年ほどで書籍出版社の参入が増え、市場が成長。ライツ収入は12年の14億円から21年の34億円へ2・4倍に伸びた。中韓台を中心に契約件数が年々増えているという。

ただ、ライツ収入には海外に現地法人や出版社を設立して出版活動を行うケースなどは含まれておらず、日本の出版社による海外展開の規模は「さらに大きい」としている。

小学生が好きな本、1位は「銭天堂」

【話題の本】銭天堂シリーズ 魅惑のお菓子、翻弄される客

  1. ロシア軍〝弾切れ〟目前 年明けにも備蓄尽き…ウクライナに全土奪還される可能性 イランや北朝鮮からの供与なく軍の士気低下も

  2. 「韓国は民主国家として未熟」親日・韓国人ユーチューバー激白! 留学中に反日洗脳から解放、「『韓国の歴史教育はウソだった』と確信した」

  3. 【衝撃事件の核心】屈強な「佐川男子」、暴力団員すら圧倒 世にも奇妙な恐喝未遂事件の一部始終

  4. NHK朝ドラ「舞いあがれ!」2月2日OA第85話あらすじ 舞(福原遥)は父の夢に挑戦していることを祥子(高畑淳子)に報告

  5. NHK「舞いあがれ!」貴司くん赤楚衛二の反省「梅津家失格です。旅に出ます」に朝ドラファンら爆笑「毎回楽しみw」「安定」