阪神大震災28年

孫ら3人失った淡路島の76歳女性「長生きしなければ」

産経ニュース
追悼式典で竹灯籠を水の上に浮かべ、手を合わせて犠牲者の冥福を祈る参加者=17日午前5時44分、兵庫県淡路市(藤崎真生撮影)
追悼式典で竹灯籠を水の上に浮かべ、手を合わせて犠牲者の冥福を祈る参加者=17日午前5時44分、兵庫県淡路市(藤崎真生撮影)

阪神大震災で死者62人の被害を出した兵庫県・淡路島。発生から28年となる17日、同県淡路市の北淡震災記念公園で追悼式典が行われ、約60人が犠牲者へ鎮魂の祈りをささげた。

参加者らは、島の犠牲者数に島外で亡くなった1人を加えた63個の竹灯籠を人工池に浮かべ、地震発生時刻の午前5時46分に黙禱(もくとう)した。住民らでつくる「フェニックス合唱団」が「上を向いて歩こう」を合唱した後、遺族らが慰霊碑に花を供えた。

淡路市富島の伝法クニ子さん(76)は、近所に住んでいた長女の夫、松下章さん=当時(22)、孫の良太君=同(2)=と健太君=同11カ月=の3人を一度に失った。震災から28年がたち「(孫と)同級生の子供たちを目にすると、『(生きていれば)もう結婚して子供もいるのかな』と思う」と話す。

健太君は震災前日の夜、風呂に入るため伝法さん方を訪れた。その際「明日もおいでよ」と声をかけたのが最後になった。震災前々日の15日、欲しがっていた玩具を良太君に買ってあげなかったのが今も悔やまれるという。

以前と比べ、式典に参列する遺族は減っており「寂しい」と話す伝法さん。約7年前、夫の良一さんは74歳で世を去った。それでも伝法さんは思う。

「孫たちは、天国から『ばあちゃんは元気かな』と見てくれていて、パパと元気に遊んでいると思う。あの子や主人らのためにも長生きしなければ」。できる限り、追悼式典に足を運ぶつもりだ。

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