経営破綻した暗号資産(仮想通貨)交換所大手FTXトレーディングの創業者で詐欺などの罪に問われたサム・バンクマンフリード被告は12日、ブログで「私は資金を盗んでおらず、何十億(ドル、数千億円)も隠したわけでもない」などと自身の潔白を主張した。
刑事責任を問われた被告が法廷外で見解を表明するのは珍しく、ロイター通信は「極めて異例のブログ投稿」と伝えた。「私は個人資産のほぼ全てを顧客に提供する」とし、FTXの米国部門について「依然として完全に支払い能力があり、ほぼ全ての顧客資産を返還できるはずだ」と訴えた。
2022年11月のFTX破綻は仮想通貨相場の急落が主因だったと強調。顧客資金の流用が指摘され、破綻のきっかけとなった関連会社アラメダ・リサーチは「保有資産の価値が22年に約80%下落した」と説明した。また、FTX支援をいったん表明後に撤回した競合交換所バイナンスの趙長鵬最高経営責任者(CEO)らが「激しく、迅速な(相場)暴落を仕掛けた」と批判した。(共同)