トヨタは13日、千葉・幕張メッセで始まった世界最大級のカスタムカーの祭典「東京オートサロン2023」(15日まで)で、往年の名車「ハチロク」をカスタマイズした2車種を発表した。ネットでは早速クルマ好きユーザーの熱い視線が注がれている。
「クルマ好きを誰ひとり置いていかない」をテーマに掲げた同社は、3つのコンセプトに沿った車両やパーツなどを出展しているが、そのうち「愛車を守るカーボンニュートラル」という考えの具体例として、発売からおよそ40年を経た今も根強い人気を誇る「AE86」(スプリンタートレノ/カローラレビン、通称:ハチロク)を改造したコンセプトカー2台を展示している。1つ目はトレノをベースに、オリジナルの状態を極力残した水素エンジン車「AE86 H2 Concept」。もう1つは、レビンをベースにバッテリー電気自動車(EV)に改造した「AE86 BEV Concept」だ。
水素エンジン車では、音や振動といった内燃機関のもつ魅力を楽しみながら走行可能な車両を開発。オリジナルのAE86に搭載されていたガソリン用の「4A-G」型エンジンを水素ガスで動かすための改造が加えられているが、後方に高圧水素タンクを2本搭載したほかは、インジェクター、フューエルデリバリーパイプ、プラグなど、改造規模が最小限にとどめられている。
EVではAE86のボディーや車重の軽さ、前後の重量バランスを極力維持しながら、バッテリーEVの特徴である高い駆動力にマニュアルトランスミッションを組み合わせた。従来以上に走りの楽しさを感じられることを目指し、既販車の電動化技術を最大限生かした車両となっている。