日本原燃の増田尚宏社長は13日、経済産業省で西村康稔経産相と会談し、原発の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の完成目標を令和6年度上期に延期したことを「全力を尽くしてきたが達成できず、おわび申し上げます。申し訳ない」と陳謝した。当初の完成予定は平成9年だが、トラブルや審査の長期化で、延期は26回目となる。
西村氏は「目標実現は極めて重要な課題。(原子力規制委員会の)審査に確実かつ効率的に対応するため、電力会社やメーカーの支援も得ながら取り組んでほしい」と注文を付けた。その上で「国も核燃料サイクルの必要性を説明し、国民の信頼確保に努めたい」とした。
再処理工場は、使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出して再利用する核燃料サイクル政策の要。原発を最大限活用する岸田文雄首相の方針を踏まえ、経産省はサイクル実現を課題の一つに挙げている。