東京都八王子市の東京都立大南大沢キャンパスで教授の社会学者、宮台真司さん(63)が襲撃された事件で、襲った疑いのある男に関する新情報が相次いでいる。男のものとみられるDNA型が検出され、男が事件前後に相模原市内を自転車で移動していたことが新たに分かった。しかし、逮捕には至らず、事件発生からすでに1カ月以上が過ぎている。
捜査関係者によると、男が事件の数時間前、キャンパスから2、3キロ離れた町田市内にある店舗前のごみ箱にペットボトルを捨てる様子が、近くの防犯カメラに写っていた。警視庁が回収して鑑定したところ、男のものとみられるDNA型が検出された。
だが、DNA型を警察庁のデータベースで照合したところ、一致するものはなく、指紋は検出されなかった。
男が相模原市内を自転車で走る様子も防犯カメラに収められていた。警視庁捜査1課は、男が自転車で相模原市方面から町田市を通って八王子市の大学キャンパスに向かい、事件後に戻った可能性があるとみて詳しい足取りを調べている。
宮台さんは昨年11月29日夕、講義後にキャンパス内を歩いていた際に突然襲われ、顔や首、右膝など全身に6週間の重傷を負った。男は事件後、キャンパス最寄りの京王相模原線南大沢駅とは反対の北側に逃走した。