学校法人「森友学園」の小学校建設計画などを巡り国や大阪府、大阪市の補助金をだまし取ったとして詐欺罪などに問われた学園理事長の籠池泰典(かごいけ・やすのり)被告(69)と妻の諄子(じゅんこ)被告(66)について、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は、両被告の上告を棄却する決定をした。10日付。泰典被告に懲役5年、諄子被告に懲役2年6月を言い渡した2審大阪高裁判決が確定する。
両被告側は、だまし取る意思はなかったと全面無罪を主張しており、詐取の認識の有無が主な争点だった。
1審大阪地裁判決は、籠池被告が「国からぼったくって」などと業者側に伝え、工事費を水増しした虚偽の契約書を作成することを建設業者や設計業者に了承させたと指摘。府・市の補助金詐取でも中心的な役割を果たしたとして懲役5年とした。諄子被告については府・市の補助金詐取に関して無罪とし、懲役3年、執行猶予5年を言い渡した。
これに対し高裁判決は、泰典被告については1審判決を支持する一方、諄子被告に関しては府・市の補助金詐取も有罪として1審判決を破棄し、懲役2年6月の実刑とした。
高裁判決によると、両被告は大阪府豊中市の国有地で開校予定だった小学校の建設費を水増しするなどして国や府・市の補助金計約1億7千万円をだまし取った。