日本サッカー協会は10日、強化担当部門が本格的な仕事始め。喫緊の課題は、難航している第2次森保ジャパンのコーチ組閣だ。
昨年12月28日に2026年W杯北中米大会まで森保一監督(54)の続投が決定。ところが、W杯カタール大会まで支えてきたコーチ陣は散り散りに。参謀役を務めてきた横内昭展コーチ(55)、U―19(19歳以下)日本代表・川口能活GKコーチ(47)の2人はあっさりJ2磐田に引き抜かれた。FW担当の上野優作コーチ(49)も今季からJ3岐阜の監督に就任する。
人選の苦しさを物語るのが、新コーチにリストアップされた元日本代表FW前田遼一氏(41)だ。J1で2009年(20点)、10年(17点)と2年連続得点王に輝いたものの、今や代表の大半を占める海外でプレーした経験がない。昨季は磐田U―18(18歳以下)監督だったが、J1での指導歴もない。
協会内にも疑問の声が出ている大抜擢に介在しているのが、前田氏の暁星高サッカー部時代の恩師で、20年3月から日本協会副会長を務める林義規氏(69)。コーチ就任が正式決定すれば、〝コネ入閣〟の色眼鏡は避けられまい。 (久保武司)