【ワシントン=坂本一之】米国防総省は10日、ウクライナに供与する地対空ミサイルシステム「パトリオット」の操作訓練をウクライナ兵に米南部オクラホマ州の陸軍施設フォート・シルで実施すると発表した。早ければ来週にも訓練を開始し、ウクライナの防空能力強化を支援する。
パトリオットの訓練には約90~100人のウクライナ兵が参加する予定で、操作や保守など数カ月かけて学ぶ。バイデン政権は昨年12月、ウクライナのゼレンスキー大統領の訪米に合わせてパトリオットの供与を発表した。
ウクライナは、ロシア軍のミサイルやドローン(無人機)による攻撃で民間インフラに甚大な被害が出ているため、欧米に防空装備の供与を求めていた。
防空装備を巡っては、米国に続いてドイツもパトリオットを供与する。カナダ政府は10日、ウクライナ供与向けに米国とノルウェーが開発した地対空ミサイルシステム「NASAMS」を購入すると発表した。
国防総省は10日、ウクライナ支援を協議する関係国会合をドイツ西部のラムシュタイン米空軍基地で開くことも発表した。
バイデン米政権はウクライナ支援に関し、先進7カ国(G7)議長国の日本と11日にワシントンで開く外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)や13日の首脳会談でも協議する。