慶大ラグビー部は11日、横浜市内で会見を開き、4季務めた栗原徹監督(44)の退任と、青貫(あおぬき)浩之新監督(38)の就任を発表した。
青貫新監督は茨城・清真学園高で3年連続で花園に出場。しぶといプレーと好タックルを見せたFLのほかWTB、FBもこなし、2、3年では高校日本代表に選ばれた。慶大でも1年から公式戦に出場。4年時の2006年度は主将として関東対抗戦3位、全国大学選手権8強まで進んだ。卒業後は味の素に就職。2020年には調理パウチに入った液体調味料「スチーミー」を開発し、話題となった。慶大では週末に携わるFWコーチを通算7シーズン(2012~14、19~22年度)務めた。
青貫新監督は「自分は社会人になってラグビーから身を引いていたので、最新のコーチングはできないかもしれないが、魅力的な人間を育て、魅力的な組織をつくっていきたい。学生たちともフラットに接して一緒に成長していければ」と抱負を述べた。栗原前監督は「新監督就任を強く推薦させてもらった。この1年、青貫コーチにいろいろなものを担ってもらい、スムーズにバトンを渡せるようにしていた」と話した。すでに新主将にPR岡広将(3年、桐蔭学園)、副将にFB山田響(3年、報徳学園)を選出。早大出身の三井大祐ヘッドコーチは留任し、新チームは14日に始動する。
また、青貫新監督は、この3月末で味の素を退社することを明かした。「(監督は)ほとんどの時間を学生と接し、マネジメントしなければならない。仕事をしながらだと部のためにも、学生のためにもならない」と退路を断った理由を述べた。任期は1期2年を重ねていく形だが、青貫新監督は「任期がいったん終わっても、続けたいと思うかもしれない」と意欲を見せた。慶大は今季、対抗戦で4勝3敗の4位。全国大学選手権は準々決勝で京産大に33-34で惜敗し、4強入りを逃した。