サッカー元日本代表の本田圭佑選手が、会員制交流サイト(SNS)で「Jリーグはクラブに企業名を入れられるようにするべきだ」などとする内容の投稿をしたことをめぐり、SNSで賛否両論が巻き起こっている。「企業名が入っていても、地元に根付く」と本田選手の〝提言〟に賛同を示す声がある一方、「会社名がないから公共性が高く、さまざまな企業が支援しやすくなっている」と否定的な声も寄せられている。
本田選手は10日に自身のツイッターを更新。「Jリーグ。サッカークラブに企業名を入れられるようにするべき」とツイートした上で、「地元に根付いたクラブにしたいという構想は分かるけど、事実としてほとんどのクラブが親会社やスポンサーがいないと経営が成り立ってない。お金を広告費として出しやすいようにルールを変えるべき」と持論を展開した。
本田選手の提言に、リプライ(返信)には「お金が集まりやすいのならば、やってもいいと思う」「経営を成り立たせたいのなら、(企業名は)一つの選択肢」と理解を示す声があがる一方、「チーム名に企業の名前が入ったら、むしろスポンサー集めの邪魔になる」「地域に根付くクラブであれば、肩を寄せ合いながら複数の企業が共存できる」として、現状の「地域名+愛称」の形を望む声が相次いだ。
Jリーグは発足当初から、サッカーを核とした地域密着型の運営を基本理念としている。Jリーグ規約では企業名を入れることについて具体的に明示している条文はないものの、24条では「Jクラブはそれぞれのホームタウンにおいて、地域社会と一体となったクラブづくり(社会貢献活動を含む)を行い、サッカーをはじめとするスポーツの普及および振興に努めなければならない」、31条では「Jクラブの法人名、チーム名および呼称(以下総称して「名称」という。ただしチーム名および呼称には地域名が含まれているものとする)ならびにホームタウンおよび活動区域は次のとおりとする」と明記している。現在J1~J3に加盟しているクラブは、すべて「地域名+愛称」となっている。
また、Jリーグのホームページ(HP)にも「チームの呼称を『地域名+愛称』とすることで、Jクラブはホームタウン住民・行政・企業の理解と協力を得やすくなり、経済的に自立することができます」と記載されている。
一方、昨年7月に開示された2021シーズンのJリーグ57クラブの経営情報では、12クラブが債務超過に陥っていることが判明。新型コロナウイルス禍が続く中で、Jクラブの経営環境の改善が課題となっている。(浅野英介)