【ロンドン=田村龍彦】岸田文雄首相は10日午後(日本時間11日未明)、先進7カ国(G7)メンバー国歴訪の3カ国目となる英国に政府専用機で到着した。11日午後にロンドンでスナク首相と会談し、自衛隊と英軍が共同訓練などで相互訪問する際の手続きを簡素化する円滑化協定を締結する。
両首脳は会談で円滑化協定に署名するほか、イタリアを含む3カ国で行う次期戦闘機開発を含め安全保障協力の深化する方針を確認する見通しだ。
両政府は機密情報の交換を可能にする情報保護協定や、物品役務相互提供協定(ACSA)を結ぶなど防衛協力を進めている。
日米地位協定を除くと、日本が円滑化協定を結ぶのはオーストラリアに続いて2カ国目。相手国に滞在する自衛隊と英軍の課税免除や、事件・事故の裁判管轄権など法的地位を事前に定めることで相互訪問のたびに調整する必要がなくなる。
首相は10日のイタリア・ローマでのメローニ首相と会談では、両国関係を戦略的パートナーシップに引き上げ、新たな外務・防衛当局間の協議を立ち上げることで合意した。