「対応できるのは85%まで」と、関西のある高級ホテルの担当者。客室すべてを埋めると、人手が足りなくなるのだという。新型コロナウイルス感染対策の制限が緩和され、公的な観光キャンペーンの効果もあって需要は回復。フル稼働でこれまでの損失を取り戻したいところだが、そうもいかず歯がゆい思いをしている
▶まずは人手不足の解消を、と採用を決めても、より給料の高いライバルや異業種に奪われてしまうことも。そして物価高である。宿泊料や食事の価格を維持することが難しくなってきた。業績回復の光が差してきたのに、やっかいな連立方程式を突き付けられている
▶悩みはどの業界も同じだろう。ただ、答えは見えている。賃上げで人材を、値上げで利益率をそれぞれ確保すればいいのだ。と思っていたら、またコロナが勢いを増してきた。ここはひとつ慎重に、なんとかしのぎ切りたい。景気の歯車が回りだすまでもうひと息。