山梨県の長崎幸太郎知事は11日、新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多となるなど急増していることから、県医師会の手塚司朗会長ら医療関係者とともに臨時記者会見を開き、県民に対し、医療提供体制を堅持するための「臨時特別協力要請」を同日付で発出した。経口抗ウイルス薬の投与に向けた早期の受診などを呼びかけた。
県内では今月5日から11日までの1週間の感染者が9777人で週間ベースで過去最多を記録した。同時に、複数の医療関係者が医療提供に支障が出始めていると指摘。手塚氏は「インフルエンザとの同時流行の懸念が高まっている」とし、「医療崩壊の瀬戸際」と現状を説明した。
今回の臨時要請は、コロナ重症化リスクの高い人への対応と、コロナ以外の疾病も含めた救急医療体制を確保することが主眼だ。抗ウイルス薬投与に加え、高齢者施設や障害者施設内で点滴などを可能とする医療行為の態勢整備を求めた。要請の期間は今月末まで。
長崎氏は「医療機関が危機的な状況の陥っていることを県民にも共有してもらいたい」として、今回、異例の医療関係者と共同会見を開いた理由を説明し、県民に協力を訴えた。