東京都文京区の東京大学前で昨年1月に大学入学共通テストの受験生ら3人が刃物で刺された事件を受け、警視庁と東大は10日、凶器を持った不審者に対処する訓練を行った。14日から大学入学共通テストが始まるのを前に警視庁は警戒を強化する。
訓練には本富士署員と東大職員約100人が参加。大学入学共通テスト当日、構内での無差別殺傷を企てた少年が正門前で「東大に入れろ」と叫びながら、スパナやガソリンの入ったペットボトルを手に暴れたという想定で実施された。大学職員が110番通報や避難誘導の要領を確認し、署員はさすまたなどを使って少年を取り押さえた。
東大では共通テスト当日の昨年1月15日、キャンパス前で受験生ら3人が当時高校2年生だった男(18)に刃物で刺される事件が発生した。本富士署は今年の試験の警戒体制を強化する方針だ。
柴田延明署長は「こうした事案が二度と起こらないようにしたい。受験生の皆さんは安全を心配せず受験してほしい」と力を込めた。