【パリ=田村龍彦】先進7カ国(G7)メンバー国を歴訪中の岸田文雄首相は10日午後(日本時間同日夜)、イタリア・ローマでメローニ首相と会談する。議長国として5月に広島市で開く首脳会議(サミット)では、中国やロシアを念頭に、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の堅持を訴える考えを伝える。
岸田首相とメローニ氏は10日の会談で、ロシアが侵攻したウクライナへの支援と対露制裁の継続を改めて確認。首相は国家安全保障戦略など「安保3文書」の改定について説明し、日英伊3カ国による次期戦闘機開発を含む安保協力の強化で一致する見通し。経済分野の協力についても議論する。
また、首相は広島サミットの成功に向けた協力も呼びかける。力による一方的な現状変更や核兵器による威嚇、使用を断固として拒否するG7の決意を打ち出す考えを伝え、支持を求める。首相がメローニ氏と対面で会談するのは初めて。
これに先立ち、首相は9日午後(日本時間10日午前)、フランス・パリのエリゼ宮でマクロン大統領と会談した。
両首脳は海洋進出を強める中国を念頭に、東・南シナ海での力を背景とした一方的な現状変更の試みへの反対を表明。安保分野の連携強化を進め、今年前半に外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を開催する方針で一致した。