大阪府藤井寺市立中の教科書選定を巡る汚職事件を受け、同市教育委員会は10日、市立中で使われている「大日本図書」の数学と保健体育の教科書について令和5年度は採用せず、別会社の教科書に変更すると発表した。文部科学省によると、教科書会社の不正により教科書を採用期間中に変更するのは全国初という。
同社の教科書は3年度から4年間使われる予定だったが、市教委は選定で「不公正な行為があった」と判断した。教科書無償措置法の施行規則は、採用後でも不正があれば変更できると定めている。
事件では、市立中元校長の西留俊春被告(61)が教科書の選定委員だった2年7月、調査員の氏名を大日本図書の元取締役(65)と社員(35)に漏らした見返りに現金3万円を受け取ったとして加重収賄などの罪に問われ、公判中。大日本図書の2人は贈賄罪で略式起訴され、大阪簡裁は昨年11月、罰金50万円と30万円の略式命令を出した。