NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の第15週「決断の時」の第67話が9日、放送され、ヒロインの岩倉舞(福原遥)が、父、浩太(高橋克典)の死を実感して玄関で泣きじゃくるシーンに多くの朝ドラファンが涙した。
大阪府東大阪市と長崎県の五島列島などを舞台に、町工場で生まれた舞が空を飛ぶ夢に向かう朝ドラ。第66話(6日放送)で、舞の実家の工場「IWAKURA」の社長を務めていた浩太が心筋梗塞で急死したことを受け、この日、葬儀が済んだ舞の母、めぐみ(永作博美)らはIWAKURAの今後をどうするかの決断に迫られた。投資家をしている舞の兄、悠人(横山裕)と信用金庫の支店長は、できるだけ早いうちに会社を売却するよう提案。会社を立て直したい一心だった浩太の気持ちを尊重するめぐみは、結論を先延ばしにした。
そんな母を気遣い、見守ることしかできなかった舞は、父の死をまだ実感できずにいたが、帰宅して下駄箱に残された浩太の靴に目が止まり、大学時代、玄関で靴磨きをする浩太と交わした会話(11月1日放送の第22話の場面)を思い出した。喪失感に襲われ、溢れる涙を抑えられなくなった舞は、後から帰ってきためぐみに「どないしたん」と心配されると「靴あんのに…お父ちゃん、もうおらん」と泣きじゃくった。
この場面が多くの朝ドラファンの涙を誘い、SNSには「今朝はつらすぎた…泣きすぎて出かけられん」「今日ほど、仕事休みがありがたく思ったことはない」といったコメントが並んだ。「亡くなった直後はまだ信じられない気持ちのほうが大きく、そのあとのほうがこみあげるものが大きい」「みんな、すぐには受け入れられないほど悲しいし、辛いんだよね」と舞の姿に共感する声も目立った。
玄関での何気ない親子の会話がつながる展開に驚く視聴者も少なくなく、「一歩ずつ進んでいけばいい…と言いながら磨いてた靴、まさかそのエピが、舞ちゃんを泣かせることになるなんて思わないやんか」「娘とのほっこりした語らいの場面と思ってたのに」「当時はなぜ玄関?って思っていたけど…こんな思い出がふとしたことで蘇って堪えていた涙が溢れるの、とてもリアルだった」などの書き込みが見受けられた。