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『嫉妬/事件』 中絶めぐる判決でも注目

産経ニュース
『嫉妬/事件』アニー・エルノー著、堀茂樹・菊地よしみ訳(ハヤカワepi文庫・1188円)
『嫉妬/事件』アニー・エルノー著、堀茂樹・菊地よしみ訳(ハヤカワepi文庫・1188円)

『嫉妬/事件』アニー・エルノー著、堀茂樹・菊地よしみ訳(ハヤカワepi文庫・1188円)

2022年のノーベル文学賞を受賞した仏作家、アニー・エルノーは一貫して実体験を基にした作品を紡いできた。そんな作家の2編を収める本書は昨年10月に海外文学作品では異例の初版2万5000部で緊急発売され、順調に売れている。

「事件」はベネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた仏映画の原作。中絶が違法だった1960年代のフランスを舞台に、望まない妊娠をした女子大学生の苦悩を描く。中絶を望むものの、法の壁は厚くて医者は容易に見つからない。結局、闇の施術を受け、心ない言葉も浴びせられる。不安や恐怖、憤りがないまぜになった大学生の内面が淡々とした筆致でつづられる。「この経験との関係を最後まで突き詰めないならば、わたしは女性の現実をおおい隠すのにひと役果たすことになるし、この世の男性支配に与(くみ)することにもなってしまう」という述懐は重く響く。米連邦最高裁が昨年、人工妊娠中絶を憲法上の権利として認めた約50年前の判決を覆す判断を示したこともあり、この作品は改めて注目された。

元恋人への妄執を克明に描いた「嫉妬」を含め、一個人の体験なのに、不思議な普遍性をもって迫ってくる。(海老沢類)

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