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『川のほとりに立つ者は』寺地はるな著 他者の「生きづらさ」を思う力

産経ニュース
『川のほとりに立つ者は』
『川のほとりに立つ者は』

『川のほとりに立つ者は』寺地はるな著(双葉社・1650円)

隣にいてくれる人のことを、あなたはどれくらい知っっていますか?

29歳の原田清瀬は、店長を務めるカフェの仕事に疲弊するさなか、恋人の松木が喧嘩(けんか)をして意識不明となり、病院に運ばれたという連絡を受けます。優しく穏やかな松木がなぜ?と訝る清瀬ですが、のちに彼が自分に隠していた3冊のノートを見つけます。そこには、彼が清瀬に話せなかった秘密が書かれていて―。

清瀬と松木、二人の視点から語られるこの物語を読んだ後、世界の解像度がまるで違うように感じられました。他者の抱えている「生きづらさ」にどれだけ無頓着だったか、そして自分の「痛み」をどれほど無視してきたのか。静かな物語の中で、これからの生き方が大きく変わるような衝撃が待っています。

清瀬は、ADHD(注意欠陥多動性障害)や、ディスレクシア(読字障害)の人々、家庭環境に恵まれなかった女性など、自分にはどうにもできないことで生きる困難さを感じる登場人物と出会い、自らの「正しさ」の外へ一歩踏み出します。清瀬の祈りと行動、そして生きる上で胸に刻みつけたくなるような最後のページの言葉を、ぜひ味わっていただきたいと願います。

そばにいる人を今よりもっと大切にすることは、自分自身の人生を大切にするのと同義です。同僚、友達、恋人、家族…。読後、誰かの明日が「よい日でありますように」と祈りたくなる本書は、あなたの人生をより一層鮮やかにすること間違いありません。

(双葉社文芸第一出版部 田中沙弥)

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