日本三大銘茶の一つに数えられる「狭山茶」が特産の埼玉県所沢市で6日、香りや味などから茶の産地を当てる「闘茶会」が開かれた。市内の生産農家らで作る市茶業協会によるもので、新型コロナウイルス感染拡大の影響で3年ぶりの開催。茶の品質や鑑定技術の向上につなげるのが狙いで、協会員ら計26人が真剣な面持ちで「利き茶」に挑んだ。
闘茶会は中国・唐の時代に起こり、宋代に日本に伝わったとされる。もとは味などの優劣を競っていたが、室町時代に産地を当てる形式が主体となり流行したという。市の闘茶会は50回目を数える。
今回は埼玉をはじめ、静岡、三重、京都、鹿児島の5府県の茶を用意。参加者は香りや手触りなどで産地を推測した上で、5種を飲み比べて味を確かめた。
市内で「鈴宗園」を経営する協会員の鈴木宗五さん(62)が優勝。「久しぶりで皆さん、難しかったのでは」と話した。
闘茶会には駐日フランス大使館付国防武官のジェローム・シャルドン海軍大佐も参加し、「伝統文化を通じフランスと所沢の関係が維持できることはすばらしい」と話した。