岸田文雄首相は6日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談した。ゼレンスキー氏は日本の支援に謝意を伝えるとともに、首相のウクライナ訪問を招請した。会談後、首相が官邸で記者団に明らかにした。首相は「現時点で私のウクライナ訪問は何ら決まっていないが、諸般の状況も踏まえて検討していきたい」と述べた。首相は9日からの欧米歴訪を前に、ロシアのウクライナ侵攻についてゼレンスキー氏と認識をすりあわせたとみられる。
首相は会談で、日本が今年先進7カ国(G7)の議長国を務めることを踏まえ、ウクライナ支援に一層積極的な役割を果たすことを表明。越冬支援などに全力を挙げる考えも伝えた。また、ロシアがウクライナへの攻撃を継続していることを強く非難した。
一方、ゼレンスキー氏はウクライナの戦況を首相に報告。両首脳は今後の連携強化で一致した。
首相のウクライナ訪問を巡っては、同国のイエルマーク大統領府長官が4日、松田邦紀駐ウクライナ大使と会談した際、首相が「都合のよい時期」に同国を訪問するよう要請するゼレンスキー氏の意向を伝達した。松野博一官房長官は6日の記者会見で「G7の議長国であることを踏まえつつ、適切な形で対応していく」と述べた。
首相は昨年6月、ドイツのG7サミットとスペインの北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席するために欧州を訪問した際、ウクライナの首都・キーウへの訪問とゼレンスキー氏との会談を模索したが、日程の調整がつかずに断念した経緯がある。