岸田文雄首相は4日、三重県伊勢市で年頭の記者会見を行い、新型コロナウイルスの感染が急増している中国からの入国者に対する水際対策を8日から強化すると表明した。陰性証明の提示を義務付け、入国時検査を精度の高いPCR検査などに切り替える。また、首相は9日からフランス、イタリア、英国、カナダ、米国を訪問すると明らかにした。13日に米ワシントンのホワイトハウスでバイデン大統領と会談する。
首相は「中国本土からの入国者に対する年末年始の検査結果や各国の水際措置を踏まえ、臨時的な措置を強化する」と述べた。
政府は昨年12月30日に中国からの入国者らに対し、入国時検査などの措置を取った。ただ、中国が今月8日から出入国管理を大幅に緩和することも踏まえ、同日から精度の高い検査に切り替える。中国との直行便も増便しないよう航空会社に引き続き求める。
首相が訪問する5カ国は、いずれも先進7カ国(G7)のメンバー。首相は5月に広島で首脳会議(G7サミット)を開催する予定で、首相は「G7議長として、今年1年、強いリーダーシップを発揮していきたい」と述べた。
13日のバイデン氏との会談では、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有などを盛り込んだ国家安全保障戦略など「安保3文書」の改定を踏まえ、日米同盟の一層の強化を確認する。
また、首相は「異次元の少子化対策に挑戦する」と強調した。対策の基本的な方向性として、児童手当を中心とした経済的支援の強化▽子育て家庭を対象としたサービスの拡充▽働き方改革の推進や育児休業制度の強化-を挙げた。小倉将信こども政策担当相の下で対策をとりまとめる。
このほか、今年の春闘に関し、連合が5%程度の賃上げを求めているとして、インフレ率を超える賃上げの確保を目指すと訴えた。