「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われる第75回全日本バレーボール高等学校選手権大会(産経新聞社など主催)が4日、東京体育館(東京都渋谷区)で開幕し、男女の1回戦が行われた。奈良県代表の男子・天理は東海大相模(神奈川)に、女子・奈良女子は宮崎日大(宮崎)にそれぞれ敗れ、初戦で姿を消した。
5年連続10度目の出場となる天理は、3年連続6度目の東海大相模(神奈川)と対戦したが、ストレートで敗れ、春高バレー初勝利はならなかった。
第1セットは序盤から、相手の高さのある攻撃に加え、反撃したい場面でサービスエースを奪われるなど苦しい展開。攻撃の中心となったエースで主将の藤尾優成(3年)は「最後まで諦めずにやりきってやると決めてきた」と、得点する度に大きな声でチームメートを鼓舞。粘り強い守備もあったが、14-25で落とした。
第2セットも中盤まで厳しい展開。16-21と5点差から、藤尾や古川遥桐(はるき)(1年)らの攻撃で6連続得点をあげ一時逆転したが、結局振り切られ、初めての勝利はならなかった。1年のメンバーが多い天理。藤尾は「春高で必ず勝利してほしい」と後輩にエールを送った。
天理・山下貴弘監督 「藤尾を中心に戦い、後半は自分たちのバレーができたと思う。春高での初勝利の壁は高いが、また挑戦していきたい」
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5年ぶり29度目の出場となる奈良女子は、攻守のバランスのとれたプレーを持ち味に戦ったが、相手の粘り強い守備やフェイントに苦しめられ、初戦突破はならなかった。
第1セット序盤は、エースの岡未菜実(みなみ)(2年)の強烈なストレートや主将の大和琴菜(3年)のスパイクが決まりリード。しかし、相手のスパイクサーブやフェイントに対応できずに連続失点し、18-25でこのセットを落とした。
第2セットは序盤から終始リードを許す展開に。コート中央を狙ったフェイントやブロッカーの背後にボールを落とすプッシュなどの相手の多彩な攻撃に翻弄され、ペースをつかめない。苦しい展開の中でも田村愛美(3年)のサイドラインぎりぎりを攻めたスパイクや高さのあるブロックで粘りを見せたが、13-25で落とし、最後まで相手の冷静な攻撃と堅い守備を攻略できなかった。
奈良女子・鬼嶋浩一監督 「出だしは順調だったが、相手のフェイントやプッシュに足が止まってしまい、守備を立て直せなかった。相手に対応できずに悔いが残る」